こんにちは!ケベック在住のHarupakaです。
ちょっと恥ずかしい内容だから書こうか悩みましたが、悩んでいる誰かの助けになれるかもしれないので書きたいと思います。ここ8年くらいずっと悩んでいたことがあります。
歯茎が明らかに下がってきていることです。まだ20代ですよ!なのに結構長い間悩んできました。歯医者さんくらいじっくり見なければ見た目では分からないので、隠して生活をするほどではありませんでしたが、日本で歯医者さんに相談しても、歯の裏っ側に矯正が隠してあるため冗談交じりに「矯正があるから歯は抜けないよ!」と言われ、当時インターネットで検索しても歯茎の下がりは手術の仕様がないと読んだので、諦めていました。たぶん梅干しが大好きなせい+歯磨きが強かったせいです。梅干しが小さい頃から大好きで、甘いおやつよりも梅干しに目がない子供でした。(いまも)。梅干しを食べすぎちゃうので、特に祖母の手作り梅干しは塩がきついやつでそれを食べたあと歯茎が毎回くすぐったくなりました。
そんな私に光が射したのは、カナダに移住して初めてカナダの歯医者さんに行った時の事。「歯茎が下がってるね。直したい?紹介しようか?」と言われ、初めて手術が可能なことを知りました。
私はカナダで手術を受けましたが、日本で受ける際もきっと重なる部分があると思うので参考程度にお読みください。昨日第一回目の手術を終えて、どんな様子か経過を書いていきます。随時更新していくつもりです。
歯医者に行ったのは9月の話で、歯茎の手術・矯正専門のクリニックのお医者さんと話せたのが12月。そしてやっと手術の日、4月がやってきました。コロナの影響もあり、手術ができる件数が限られているのでこれだけ待ちました。先生と話した結果、私は3か所手術した方がいいねと言われ、人生でまだ一度も手術をしたことがなかった為、3回目はまだ保留にして今回の1回目と2回目の予約だけ、12月時点でしておきました。2回目は6月に控えています。
本当は6月に別の個所の手術を受けるはずでしたが、移植する皮膚の基である上顎の皮膚の再生を考えたら、もう3か月待った方がいいということで、8月になりました。
待合室はこんな感じです。ここも、カナダの歯医者さんもですが、モダンな雰囲気でシンプルでおしゃれなクリニックが多いです。(ちなみにここは歯医者さんではなく歯茎治療と歯科矯正専門の所です。日本だと、虫歯の治療も矯正も一緒の場所でできる場合が先生によってありますが、カナダは大体別のクリニックに行きます。親知らずもまたさらに違うところに行くことになります。)
歯茎が下がった原因は?
自分はずっと、歯磨きを強くしすぎたなと思っていました。それも原因の一つですが、私は矯正をしている・いたので、それも歯茎が下がる要因なんだとか!留学中に、歯を磨いていたら歯茎が取れてバイバイしたのを鮮明に覚えています。え、そんなことある?と思いました。幸い、まだ歯周病ではないみたいです。このまま放っておいたらなってしまう可能性もあるので、すぐに治療したいと決めました。
その間、仕事は?
私はオンラインで日本語の先生をしています。喋ることが仕事なので、水曜日の午後手術だったんですが、水曜日の午後から日曜日まではお休みにしました。約4.5日の休息です。(たぶん長めな方です。)
結合組織移植術
私が受けた手術は、簡単に言えば、上顎の分厚い皮膚を切って、その皮膚を下がった歯茎に移植する手術です。自分の皮膚なので、最初は縫い傷などが見えますが時間が経てば馴染んで来る手術です。
カナダのクリニックなので、色んな人種の方がいます。先生曰く、中でも私たち日本寄りのアジア人の歯茎の厚さが、他の白人さんや黒人さんに比べて薄いらしいです。どういう事かというと、薄い分デリケートだから手術が難しいみたいです。
手術内容
今回は、下前歯5本分の手術をしていただきました。今回の手術の代金は、1730CADでした。保険適用外です。日本でもそうだと思います。日本円では感覚的に17万3000円くらいです。(日本円で払えばもうちょっと安くなりますが、わざわざカナダにこの手術を日本からしに来る方は少ないと思うので、現地カナダの通貨で収入を得ている私の感覚的に置き換えています。為替は関係ないよと言う事です!)先生は患者さん(この日は私)を落ち着かせるために、手術の前に音楽流してもいい?と聞いてきて、手術中は終始洋楽が流れてきていました。2019年にモントリオールでコンサートに行ったShawn Mendesとか聞きなれた音楽だったのでありがたかったです。
まず麻酔を打ちます。私は下の前歯5本を覆ったので、その面積が覆えるよう下3回と、皮膚を切り取る上顎一回の、計4回麻酔を打ちました。
最初に手術する歯の周りをきれいにして、それが出来次第上顎の皮膚を切り取ります。麻酔が効いているから何も感じませんが、切っている音は骨を伝って聞こえてくるのでぞわぞわし、ちょっと気分が悪くなりそうでした。その音のせいで緊張して体が震えているのがわかりました。それを乗り越えると、切り取った場所を縫う工程が始まります。全く何も感じないので、顔にかかる糸がくすぐったいなくらいの印象でした。そして、それが終わるとすぐさま移植の作業が開始です。これも先ほど同様、麻酔のおかげで何も感じず、顔に当たる糸がくすぐったいだけでした。移植した所は、縫うというより糸が歯にくくり付けてある感じになっています。移植場所の裏を鏡で見ると歯茎に糸は貫通していませんでした。なので切る作業さえ乗り越えればあとは薬の効果もあって楽です。今の時代に生まれてよかった!
手術後しちゃいけないこと
- 3週間は、堅いもの(よく噛むもの)を食べちゃいけない
- 歯磨きをいつも通りしちゃいけない
- うがいをいつも通り(強く)しちゃいけない
- 熱いものを食べちゃいけない
- 辛い物も食べちゃいけない
- あまり喋っちゃいけない(喋ると歯茎も引っ張られるから)
- 大きい口を開けて食べちゃいけない(ちょびちょび食べましょう)
- 運動もしてはいけません
簡単にまとめるとざっとこんなもんでしょうか。
手術後3週間に食べてもいいもの
サーモンや、鳥のもも肉、ミンチのお肉(パラパラの状態なら)などなら食べてもいいよと言われました。彼はサーモンと聞いたので、手術後スーパーに行ってお寿司が大好きな私にサーモンの刺身を買ってくれました。先生は焼いたサーモンを指していたのかな?それともサーモン全般?とりあえず今夜食べてみます:)
ついでに豆腐も買ってきました。最近はベジタリアンやビーガンの人が増えたことで日本食が普通のスーパーでも手に入りやすくて助かります。ただ一丁150円くらいしますが…冷ややっこにして食べます!
手術後の様子
手術直後(1日目)
まだ麻酔が効いていて麻酔を打った辺りの感覚がなく痛みも感じないので、たくさん喋れちゃう気になりますが、あまり喋らない方がいいです。手術自体は、1時間半でした。手術が終わってすぐに痛み止めのイブプロフェンを2錠貰ってその場で飲みました。
3週間後、歯茎を移植した所の糸を抜きにまたクリニックに行きます。上顎の皮膚を切り取った場所も縫ってありますが、こちらの糸は自然に落ちてくるらしいです。
クリニックで支給されたもの
左のブラシ:手術後1週間経ってから手術した場所の歯磨きに使うようです。手術後用専用ブラシらしいです。このブラシが使えるようになるまでは、次の段落で紹介するもので清潔に保ちます。
右のパッケージ:手術後すぐにもし出血が多いようだったら傷口をふさぐためのガーゼです。
処方箋を貰って薬局で調達したもの
左の大きいボトル:手術後専用の歯ブラシが使えるまでの間、この専用のマウスウォッシュで手術跡をきれいにします。ただ、このマウスウォッシュは手術後24時間からしか使えないので、手術当日は残念だけど傷口の周りはさっと水を流す程度です。手術していないところは従来通り普通の歯ブラシに歯磨き粉(いつもより少な目にしました)を付けて磨いても大丈夫です!でもゆすぐのは厳禁なので、水を含んでパッと水を吐く感じです。手術後の手当てをきちんと守らないときれいな歯茎が再生されませんので細心の注意を払います。
右の小さいボトル:痛み止めのイブプロフェンです。術後2日間は、4時間おきに飲むようにとあります。
手前の箱:バクテリアから守ってくれる薬です。術後夜ご飯の最中に2錠飲みます。その後は、1日1錠ずつ、食事の最中に飲みます。
この処方箋文全部で、6,000円ほどでした。残念ながら、昨年12月にカナダの永住権を取得し、今ケベック州の保険の登録を待っている段階なので、保険証がなく処方箋全額負担になりました。まあしょうがない!
手術後2日目
痛み止めのおかげか、ぐっすり眠れてすっきり目覚めることができました!痛み止めのイブプロフェンは4時間おきにとの事でしたが、寝ている途中に切れたらどうしよう?と心配で寝る前に枕の横にイブプロフェン2錠とお水を置いておきました。が、痛み止めが切れることなく?ぐっすり8時間位寝れましたし、起きてからも傷口がキリキリするような痛みは全くなかったです。
手術当日はなかったけど、今日は顔がちょっと腫れてきていて、普段は玉子型だけど、今は四角くなっています。腫れた部分に触れてしまうと打撲の様な痛みがありますが、今ブログを書けているように触りさえしなければ苦にならない痛みです。口をあまり動かさない様、大人しくしています。
朝ご飯は抜こうかなと思ったんですが、痛み止めを服用したかったので、彼のママが作ってくれたジェロ(Jello・ゼリーの商品名)とヨーグルトとオレンジジュースにしました。普段は抹茶を朝飲んでいますが、当分熱いものは禁止なので抹茶は控えました。冷ませばのめるんですが!
昼ご飯は、ナッツなどが入っているポタージュ(ミキサーですりつぶしてあります)と、冷ややっこを食べました。
夜は、私以外のみんなはローストビーフにマッシュポテトでしたが、私はサーモンのお刺身とマッシュポテトで食べました。あんまり食べ合わせを気にしないタイプだからこうなりました。
ちょっと歯茎周りが不衛生になってきてしまい、白い幕みたいなのが出来てしまったので矯正用の細い歯ブラシで歯茎に本当に軽くだけ、細心の注意を払って取り除きました。(これをするときは歯茎を傷つけないよう気を付けてください)
そしてその後やっと、手術後24時間たったので、マウスウォッシュが使えました。優しく、グチュグチュではなくて、クチュクチュなかんじで20秒以上すすぎ、優しくペッしました。(伝わるかな?)
2日目午後から顔が四角くなってきて、仕事から帰って来た彼に、「知らない、ぶさいくな人みたい」と笑われました。うん、確かに!(私たちはお世辞は言い合いません。)
手術後3日目
今日も昨日と同様夜中に起きることなくぐっすり眠れました。今日は朝ぬるい紅茶を飲んで、昨日と同様にジェロを食べました。相変わらず顔が四角いです。鏡見るたび笑えます!でも笑うと顎付近が筋肉痛に似た痛みがあるので笑えない。もどかしい!早くサクサクしたものが食べたいです…3週間我慢…
この日の夜は、みんなと同じようにエビのスパゲッティを食べました。でも普段通りには食べれませんので、麺をナイフで細かく切って食べました。
手術後4日目
今日も変わりなくぐっすり眠れ、昨日と全く同じ朝ご飯を食べました。今日の私の顔は打撲の様な痛みに戻り下前歯5本分の手術をしたのでか、見事に顎の周りに丸く青あざが薄っすらできていました。手術中殴られてないと思うのでたぶん麻酔の注射の影響なのかな?と思っていますが分かりません。
夜ご飯はグリルサーモンとお米をみんなと同様に食べました。一口を小さくちびちび食べれば、普通の柔らかめのメニューなら問題ありません。
手術後5日目
今日の朝は、オートミール(ちょっとお粥に似ています)を食べました。顎の青あざがめっちゃ黄色くなっています。腫れはだいぶ引いてきましたが、完全に引いたのかはまだ不明です…自分の元の輪郭がどうだったか忘れてしまいました…幸いコロナの影響でカナダでもみんながマスクを着けているので、マスク姿でも浮くことなく普通に外に出れるのでありがたいです。
明日からお仕事に復帰します。第一日目なのに、9時間半も日本語のレッスンがあります。大丈夫かな…
手術後6日目
仕事復帰してどうだったかというと、可能ならもう1日休むか、少しずつ復帰するのが望ましいなと思いました。顎の周りは黄色いあざが残っているし「き」などの横に口を開いて発音するようなものが難しかったです。ただどこを手術したかにもよるなとも思います。輪郭は元通りになりました!ご飯は結構普通に食べていますが、みんながおいしそうにバゲットを食べている横で自分は自粛しなければいけないのがつらかったです。
手術後7日目
まだ顎の周りに薄っすらあざはありますが、だいぶ引いてきました。
手術後10日目
上顎を縫った糸が一部取れました。ずっとピロピロしててうざかったから嬉しいです!
手術後11日目
最後に残っていた上顎の糸が取れました!上顎は元通りです。食事はほぼ普通に食べています。ただ、手術した場所に当たらないように、ピザやステーキ等は特に一口サイズに切ってから食べています。ピザの外側の一番堅いところ(名前が出てこない…)は残念ながら捨てました。
手術後26日目とそれ以降
やっとクリニックに手術した場所の抜糸に行ってきました。歯茎の出来映えは、結構自然です。強いて言えば、歯茎を歯茎の上に被せたところは唇の裏の感覚で分厚くなったのが若干分かりますが、めっちゃ気になるというほどではありません。見た目は日を追うごとにちょっと縫い目が白っぽくなってきて分かるっちゃ分かる程度ですが見えます。ですが、歯周ポケット予備軍に食べかすが入って炎症を起こして痛いことが以前はありましたがもうその心配はありません。手術を受けてよかったです!手術後1か月くらいからもう殆ど気にせず普通に食べています。
私みたいにならないようにする歯の磨き方
きちんと先生に教わってきました。上の歯も下の歯も歯茎の流れに沿って、絶対に横にゴシゴシしてはいけません。そうすると歯茎は削れる一方で、知覚過敏等の人生の楽しくないイベントを多々引き起こしてくれます。(皮肉)
必ず歯茎を伸ばすような感覚で、上の歯を磨く際は上から下に、下の歯を磨く際は下から上にブラッシングをしてあげましょう。ブラシが歯に当たる方向は一方通行です。
はじめまして。「歯茎の移植手術」で検索していてHarupakaさんのブログを見つけました。
カナダで歯茎の移植手術をされたという内容を読んでコメントさせていただいています。
実は現在トロントに留学中の娘が日本にいる時から歯茎下がりに悩んでいました。歯列矯正によるものだと思います。日本にいるときは歯茎の移植についての情報を知らないまま留学してしまい、現在も症状がどんどん悪化するのではないかと不安を抱きながら過ごしています。日本に一時帰国するにしても3か月くらいは経過を見る必要があるようなので、カナダで治療ができることを知り希望が見えました。
もしよろしければHarupakaさんが治療を受けた専門歯科医院を教えていただけないでしょうか。
またこのような専門歯科医院はカナダ全土に普通にあるものなのでしょうか。(やはりトロント周辺のほうが通いやすいので)
ご返信いただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。
宮上さん、初めまして!コメントありがとうございます:)
まさか私の書いたこの記事がお役に立てるなんて!
書いて良かったです!
娘さんはトロントなのでやはりトロントで探した方がいいですね!留学期間もあると思うので、カナダで手術したいなら早めに医者に連絡して、始めのアポイントと手術の日を抑えることをおすすめします。
トロントなのでどこがおすすめの医者かは分かりませんが、インターネットで「Gum Surgery」や「Gum Graft(歯茎の移植)」にトロントと付けて検索したら結構出てきましたよ!なので娘さんに検索してみるように言ってみてください。
お値段はそこそこしましたが、手術して2、3年経ちやっぱり移植手術をして良かったと思っています!歯茎も自然な仕上がりになりました。
娘さんがいいお医者さんを見つけられるように願っています!
Harupakaさん、返信ありがとうございます!
海外で歯の治療をするのはとにかくお金がかかる、医療関係はやはり日本でないと不安というイメージが強かったのですが、Harupakaさんのブログを拝見して、歯茎の移植についてはむしろカナダの方が先進国で安心する印象を持ちました。検索方法も教えてくださりありがとうございます!早速娘に伝えてみます(^^)
Harupakaさんのブログに出会えて本当に良かったです。ありがとうございました!
宮上緑
そう言っていただけて嬉しいです!
いいお医者さんが見つかるといいですね!!