まず タイトルを見て、 「どんな動画かな?」 「私も実際に フランス語が 話せるようになる前に モントリオールで ワーホリした経験があるから、 分かる~ ってなるかな? 」 と思って 見てみましたが、 ちょっと 話を聞いていて 胸糞悪い 気持ちになったので モントリオールと その近郊で ワーホリ含め 約5年 暮らしている私の意見を書きます。
モントリオールを始め、ケベック州はカナダでもフランス語が第一言語の都市として有名です。動画の主は、フランス語はさっぱりなのかな?それに加え、英語もまだ拙いような感じらしいです。そもそも英語もまだあまり分からなくて、なんでわざわざフランス語がメインのモントリオールに来て、語学学校で勉強するだけではなく「働こう」と思ったのか。海外で働くこと自体はすごくいい経験だと思うし選択は個人の自由だけど、私が胸糞悪いと感じたのは、彼の意見の中に垣間見える現地の人(=ケベックの人々)への配慮のなさです。
私もモントリオールでワーホリしたのが、フランス語が分からず、英語もアメリカ留学(フロリダのディズニーのアニマルキングダムで働くやつ)を終えた直後だったのでやっと英語が分かり始めたぐらいのレベルでした。私の場合、当時既に彼と付き合っていて国際遠距離恋愛中だったので、迷わずモントリオールでワーホリという風に決めました。当時の私はフランス語が話せなかったので接客業ではなく、ゲームのテスターとして英語と日本語だけでワーホリ中は働いていました。私も通った道だから、純日本人にとってモントリオールでのワーホリのハードルの高さは分かります。でも、英語だけでOKな仕事ではなく、フランス語もちょっとは必要なレジ係がある仕事を選んだのは彼だし。お客さんによっては、英語が必要な場合もフランス語が必要な場合も両方出てくるのがモントリオールだし。フランス語が話せなければ、私の経験上ケベックの人々は英語に切り替えてくれました。でも英語すらできなくて、それで文句を言われて…って言ってたけど、お客さんからしたらモントリオールで働いているんだから、フランス語が難しいのは分かるからせめて英語で話してくれないと困るのは当然じゃんと思いました。モントリオールの人たちは、私の経験上バイリンガルかもしくはそれ以上だからこそ、アメリカ留学時に感じたモノリンガル(1つの言語だけ話す人)よりもはるかに外国語取得の難しさを理解してくれていて、その分英語で一生懸命話そうとしている私の話もアメリカにいたときより優しく聞いてくれました。フランス語ができるようになった今は、更にもっと優しく接してもらえているなと感じますが、これは大半のケベックの人たちにとっても第一言語が「フランス語」だからであって、あくまでも「英語」は第二言語だから、我々が英語で話す際に緊張するのと同じようにケベックの人たちも、人によっては英語があんまり得意じゃなくて緊張しながら英語を話しているから、多少英語だけで生活しているとちょっと口調が強いのかな?と思うこともありました。でも、フランス語に切り替えた途端安堵の表情を見せてくれて穏やかな印象に変わった場面が何度かあります。
まず、彼はモントリオールに何を期待していたんだろう?「ケベックはケベックのフランス語を守るのに必死だから、厳しすぎる」って言っていましたが、カナダで唯一のフランス語圏で、年々増える移民など英語話者によって彼らの大事な文化であるフランス語が薄れていく中で、自分たちの文化を守るために策を講じるのは普通の事だと思います。だって自分たちに置き換えてみてください。現在日本は移民の受け入れに寛容ではないから、大体の人が日本人で日本語話者です。少子高齢化でもし移民を受け入れ始めたとき、自然と世界の共通語である英語話者が増えるのは当然のことだと思います。日本語を英語話者とフランス語話者に教えていますが、簡単に習得できる言語ではありません。なので、移民はきっと英語で生活するようになるでしょう。そうすると次第に日本語話者が減っていき、日本語も保護をしないと消えて行ってしまうかもしれません。私たち日本語話者からするとそんな事態は受け入れがたいものであって、何らかの保護活動をし始めるでしょう。それと同じことをケベックの人々はしているだけで、しかも、彼らの場所でやっているだけなので、私みたいな移住者やワーホリ等短期滞在者が現地の意向を尊重するのは大切なことだと思っています。
その動画で感じたのは、「現地の人が僕を理解して優しく接しろ」と言いたいのかな?と言うことです。お客さんからしたら、商品を買いたくてお店に足を運んでるのに、フランス語も英語も理解できずきちんと取引ができないとなると「なんで?」っていらいらする人もいるだろうし、日本で同じことが起きても多少「じゃあそもそもなんで日本語もできなくて、簡単な(世界共通語である)英語もできないのに働いてるの?」と疑問に思うと思います。彼の経験として既に起こったことで彼が動画のようにネガティブに感じたなら、それはもうそう言う事で変えようがありませんが、彼の考えが甘かったようにも思うし、その気持ちを自分の中で留めておけばいいものをYouTubeで、さらに「モントリオールを勧めない」とディスっててモントリオールに敬意が感じられなかったので私は胸糞悪くなりました。動画のタイトルが留学を勧めないと書いてあったのも、「彼の話してることはワーホリじゃん?!留学とはまた違うじゃん?!」って思い、タイトルで釣ってるだけなのか分かりませんが、留学とワーホリをごっちゃにしている感と、留学=英語って決めつけてて海外に少しでも住んだのに、「まだ世界は英語だけで動いてると思ってるの?」と、正直発信するにはまだ考えが甘いんじゃないかなと思いました。英語の語学留学をするなら、ケベック州全体はおすすめできないけど、モントリオールはすっごいおすすめです。私はモントリオール郊外だから日常会話はほぼ100%フランス語の地域ですが、モントリオール市内はマジでバイリンガル、もしくは英語の色が他のケベック州の町に比べて強いイメージです。だからこそ、先ほども書いたように、外国語取得の難しさを当たり前のこととして理解してくれている人が多いので、その分優しく話を聞いてくれるし、逆に周りのみんなが最低2か国語は話すのが当たり前だから、逆に1つしか話せないと「あれ、私1つの言語しか話せないって…足りない!」みたいにモチベーションも上がりやすいので、留学にはまじでおすすめです。それか、フランス語学科の大学生で、将来フランス語だけを使う仕事なんて限られてきちゃうから、英語もフランス語と同時に伸ばしたいという学生さんにおすすめです!この場合は、フランス留学の後に、ケベックでワーホリしたりして、いろんなアクセントのフランス語に触れて、更に英語も伸ばす感じですっごいおすすめなのでお金と時間に余裕があるなら絶対やったほうがいいと思ってるプランです。私は英米語学科だったけど、これをフランス語学科の後輩におすすめして、実際にそうした子がいました。
それに、私はケベックに移住して永住権も取ってこれからこの街で子育てもしていきます。約5年ケベックに住んでいてこの街が好きです。この街に住めてよかったです。自分じゃ選ばなかっただろう、フランス語も英語も必要なハードルが高いこの街ですが、なんだかんだ好きになって来ちゃったし、そんな好きな場所をただの短期滞在者に敬意なくディスられて、そりゃむかつきませんか?(短期滞在者でも、ケベックに敬意を払っている方は大歓迎です!)
と、私のケベックに対する愛を再確認した今日でした。